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大人になって振り返る算数

大人になって振り返る算数


速さの考え方1

今回から、本来常識的な「速さ」についての考えを述べてみます。まずこの2題を比べてみましょう。

[問1]分速75mの速さで20分歩いたときに進む道のりは何mですか。

[問2]分速75mの速さで20秒歩いたときに進む道のりは何mですか。

分速75mという意味は1分間に75m進むということですね。ですから問1は、75×20=1500(m)と簡単ですね。問題は問2なんですがここでの解答は3とおり考えられますが、5年生用として、

[解1]分速75mを秒速になおすと

75÷60=1.25〔m) 1.25×20=25〔m)......答

[解2]20秒は1分を3等分した1つ分になるので

75÷3=25〔m)......答

この2つの解答では解2のほうがカッコよく感じますね。しかし学習する立場で考えるとどうなのでしょう。

小学校5年で学ぶ「速さ」の項目は「単位あたりの量」という単元にあります。ですから秒速、分速、時速をきちんと使いこなすことを第一義に学ぶのです、解2の方は20秒を一単位としたその場かぎりの方法?(割合の利用〕みたいですね。つまり解1の方をきちんと理解した上で解2みたいな考え方を示すべきです。

ところが5年生用の問題集などによく次のような問題がでています。

[悪問]分速80mの速さで15秒歩いたときに進む道のりは何mですか。

解2の方法だと実に簡単ですね。しかし分速80mを秒速になおすには分数を使うしかないのです。そしてこの計算は5年生にはできないのです。むろん6年生ではOKなのですが...

柔軟な思考力の養成は大切ですが、その礎としての基本学習はもっと重要ですね。 (この項つづく)

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