荻窪の学習塾・本多セミナー

大人になって振り返る算数

大人になって振り返る算数


割合の考え方3

[前回の問題]

ある品物を定価の2割引の6,000円で買いました。この品物の定価はいくらでしょうか。

[模範解答]

1-0.2=0.8 6,000÷0.8=7,500   (答)7,500円

前回ではこの解答がすっとでるには特殊な訓練が必要だと述べました。今回はその訓練について説明します。

1割という概念は日常では10分の1として扱いますが、学問的(抽象的)には0.1倍と考えます。それで2割=0.2倍、2割引=0.8倍と固定して考える訓練をします。すると上の問題は「定価の0.8倍が6,000円、逆算により6000÷0.8で定価になる」とこのように頭が進行するのです。第1回目でとりあげた大人の力(具体的)で解いたのと随分感覚が違いますね。

 さて私たち大人が子供に教えるときは日常の考え方を使いたくなります。易しい問題では確かに理解しやすいのです。しかし上級の問題にあくまでも日常的考え方で解こうとするとムリが出てきます。(頭の訓練にはおもしろいのですが)。当然試験中には間に合いません。かといって問題によって考え方を変えれば子供が混乱するのは明らかです。今の子供たちはどうもこの状態に陥っているようですね。これは大人の責任ですよ。

次回はこの対策について私見を述べます。

最後に特殊訓練用の問題を

[宿題]

仕入れ値に3割の利益を見込んで定価をつけ、定価の2割引で売ると300円の利益がありました。仕入れ値はいくらでしょう。

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